レッスンはいつから受けるべきか 2021.3.25

「これからフルートを始めたいけれど、まだ全然吹けない(当たり前)のに、先生に教えて貰うのは失礼」とか「ある程度吹けるようになってからでないとレッスン代が勿体ない」という意見を時折耳にします。

 

端的に言って大間違いです。

 

コンサートで絶えず全国を飛び回っているような超一流の演奏家ならいざ知らず(物理的に時間を取ることができないでしょう)ある程度定期的なレッスンを提供している演奏家なら、初めてすぐ(寧ろ始めるよりも前に)にレッスンに通って欲しいと思っています。

独習や学校の先輩(1〜2年先に始めた程度)に習うのは、悪いクセを付けてしまう可能性が非常に高いのです。そして一度付いてしまったクセは、その後レッスンに通って5年10年とかかって漸く治るかどうか、という性質のものなのです。


「近くに先生がいない」「経済的に厳しい」
残念ながら、そういうことは良くありますね。ない袖は振れません。

レッスンが受けられる状況になったら、出来るだけ早くレッスンに通ってください。

1日でも早い方が良いのです。

 

「レッスンなんて受ける意味ある?」「自分で試行錯誤するからレッスンは不要」
そう思っている間はレッスンに通っても先生の言うことは耳に入らないでしょうから、レッスンに通う必要はありません。

でも、あなたがしようとしているその「試行錯誤」はフルートが誕生してから今までに400年以上かけて、偉大な先人達がすでに行っています。例えば高々40年にも満たない期間しかフルートに関わっていない私の指導内容には、しかし400年分の試行錯誤の蓄積が生かされています。
どちらが効率が良いかは明らかですね。


独習か、レッスンを受けるか。

もしもあなたに才能があるのなら、生涯をかけて達する高みはまるで違ってくるでしょう。
残念乍らあなたに才能に恵まれていないとしても、出来上がるまでの苦労はかなり軽減されます。

 

「ただの趣味なのにそんな一所懸命やらなくても」

趣味だからこそ一所懸命やらなくてどうするのでしょう?

好きでやっているのでしょう?

時間もお金も使いたくないのだとしたらそれは趣味ではありません。そういうのは「暇つぶし」と言います。時間がない時でもなんとか時間を捻出してやろうと思うのが「趣味」です。

 

 

因みに、レッスン代が無駄になるのは次の場合です。

・自分でものを考えるのをやめた時。

 →頭は使えば使うほど使いやすくなります。生きている内に存分に使いましょう。

 

・あなたが先生を尊敬できない。

 →もしかしたら先生を変えるべきかも知れません。

  でも、まずは先生の言うことをちゃんと理解できているかどうか良く考えてみてください。

  レッスンの価値を実感するにはある程度の時間がかかります。

 

・3流以下の先生を選んでしまった。

 →2流以上の先生を探してください。ある程度までのレベルの内は、2流以上の先生なら皆

  同じ内容の指導をします。あなたがある程度を越えたらもっと上の先生を紹介してくれるでしょう。