フラウト・トラヴェルソ(バロック・フルート)

フラウト・トラヴェルソ(flauto traverso)という言葉は本来「横笛」を意味するだけの言葉ですから、ベーム式のフルートだってフラウト・トラヴェルソには違いないのです。ただ現代ではこの言葉はバロック期に使われたキーを1つだけ持つ楽器として認識している方が多く、また私も最初にそう憶えたのでフラウト・トラヴェルソ(略してトラヴェルソ)を使うことが多いです。

私がトラヴェルソに出会ったのは大学のサークル、その名も「古楽研究会」で。

フルートはレッスンに通うようになりましたが、トラヴェルソは私の中では色物扱いに近かったので(先生も近くにはいなかったので)これまた独学で数年間過ごしてしまします。フルートの方は大分マシになってきたのですが、トラヴェルソだって同じ横笛だから同じように吹けば良いという考えでまたまた進歩が遅れます。

転機は名古屋バロック音楽協会夏期(当時は夏季)セミナーでした。その頃には私の中でのトラヴェルソの地位も上がってきており、ここでレッスンを受けた先生のところ(東京)へレッスンに通うことに。

「大分上手になってきたのじゃない?」と自惚れかけたところで訪れた第2の転機は、東京の先生のところで勧められたベルギーの講習会でした。先生から「暇と時間があったら行くと良いよ」と言われたので。「暇とお金があったら」と言われたのだったら行かなかったのですが(^_^;)
この講習会での最初のレッスンは曲の最初の1音の出し方を延々1時間かける(つまりすぐには言われたことが出来なかったからそうなるのですが)というものでした。レッスンの内容もショックでしたが、その講師の出す音がまたショッキングでした。彼の音はCDでは聴いたことがあったのですが、生で聴く音は別次元の音でした。トラヴェルソからこういう種類の音が出るとは思ってもいなかったので、それ以来こちらの講師の所へも機会があれば通うようになり、今に至ります。